へぽくし

 メノ・スピルトハウゼン『ダーウィンの覗き穴』

 NHKの生物関係の番組を見た霊長類研究家がツイッターで、類人猿による「ペニス・フェンシング」が成獣で行はれてゐるといふ発言について、「私が観察したあるいは文献で見た限りでは成獣のはない」と言ってゐるのが散見された。その諸賢によれば類人猿でゴリラやチンパンジーのお子さんがちんちんを合せる行動は見たけども成長した個体では見たことがないといふ。

 なほ、メノ・スピルトハウゼン『ダーウィンの覗き穴』では、ニセツノヒラムシ(まんこがないので相手の「卵の器官」があるぽい体の外周へちんこを突き立てる)やカタツムリの恋矢(ちんこと無関係らしいけど交尾中に出すもの)を出してフェンシングと称してゐる。また、同著によれば、ボノボの女のこさんがもつでかいクリトリスはいはゆる「ボノボる為」に発達した可能性が、貴志祐介新世界より…』発表以前、「Hrdy」なので多分サラBハーディ先生が1997年に発表してゐる論文によるとあるさうである。
 
 てふかその本240~242頁で展開してゐる「アエオリディエルラ・グラウカ」Aeolidiella Glaucaについての資料がない。aミノウミウシの一種でbヨーロッパ北部、西部のアマモが生える浅海に生息し、cイソギンチャクを食ってその毒を刺胞に溜めてゐる 程度の情報が辛うじて英語版のWIKIにあった。あとは、その
生殖したい個体が適当なのへ寄り添ふ
相手へ体の右側にある生殖口齧るとかしてアピる
その気になったら生殖孔へフラップを付けてお互ひを固定し、ちんこを出す。
ウミウシとしてはでかい陰茎を相手の背中へ乗せ、同時に精包を付け、それをチンポでぺんぺんする。
別れ、精包をちょっと齧って生殖口を開きじーっと待つ三時間後、起きた精虫が数時間かけて卵へ行く
 適当に受精させた後残りは親が食べる

 といふ、シーメールとかニューハーフ関係か先天性両性具有の作品を描くマンガ家の妄想のやうな、生殖の生態がHitしない。