どうすっかなー

 後藤毅、黒田光洋著「もののけ姫研究序説」ぬるい。

 後藤さんは「エヴァンゲリオン解体新書」「エヴァンゲリオン「映画篇」探究」黒田さんは「『ファイブスター物語』の秘密〈2〉」を書いてゐる。

 

白土三平諸星大二郎中尾佐助、などパヤオ作品を語る上で欠かせない人々に関するものはほぼ抜かれてゐる。網野善彦は出てくるが、網野先生が左翼であり、かつ資料にしてゐる宮崎御大が、「暴力のシステムが凶悪だと少数民族の保護みたいなことをする」天を参照してゐるとかは一切書かない。(そういうのやりたいよね で終る)

 「五行説」を「風水説」と表記するのはいかがなものか。

 イナガキ・タルホの「乗馬とヒコーキは似てる説」は出さうなんだけど「飛ぶ宮崎駿作品と対照的なもの」と言ふ説を展開。

 カマラとアマラを「狼に育てられた少女」だと思ってゐる。二十世紀後半にそんな人がゐるとは。

 風の谷のナウシカを引き合ひに出す。勿論、「ジバシリと大海嘯」とか「蟲使いとジバシリ」とかは一切出てこない。