ぬぽぽよ

雪だか雨だか

 月刊スピリッツを見て、週刊ていふかの方を見て、伊藤沙里VS大童澄瞳対談の存在を知る。まぁマンガ莫迦と俳優バカのちゃんとした対談っちゃ対談であった。伊藤さんは文章を読むのがしんどいらしいのだが、『映像研にはを出すな!』の、浅草氏が『大工しらべ』をやるところはやってるんだよな。ちょいと松茸。

 コロナ禍でも、いやだからこそ、致死性が大したことのない肺炎によるいろいろを蒙ってゐる関係で、葬式が繁盛である。職員は弔問客の体温を測り、名前を記入させ、PETボトルの茶を持たせる。大昔の沖縄では、血縁ヒエラルキーによってぶつぶつええか、まじじええかと言ふのがあったさうなのだが、今回は本来、精進落しまで付き合はされるやうな関係の人であった。

 いはゆる『剣と魔法物』の中で、かつ「智に働けばイノベート」ができる者として、何かを探す。ドワーフだエルフだ、トロルだはおそらく、保守反動的で若干あれである。

 オークは辛うじて、英語圏では「Elfpunk」と言ふらしい世界が存在する場合、おそらくドワーフは守旧を行ってゐるのに対し、オークが辛うじて技術の革新を行へる素地が、『ホビットの冒険』で何となくあった上、そこで出て来るオークっぽい者の呼称が「ホブゴブリン」とそれより小さい「ゴブリン」。

 福田恆存の曰くに所属しかつ、オークの一種でなんかと思ってゐたら、ローズマリ・エレン=グィリー『妖怪と精霊の事典』で、グレムリンが、大地の精霊やノッカーとの関連を示唆してゐた。へー。ノッカーは、ナザレのイエス磔刑にし、エゲレスへ遠島申し付けられたユダヤ教徒の幽霊、と言ふ謎の出自である。ユダヤ教徒かなんかが十云世紀に引っ張られてったといふ史実はあるらしいのだが、彼らはそれより前に採掘のために渡英したらしい。その後、多分現在に至るまで、どう言ふわけかクリスチャンになったやうな土人と仲が良く、人間の炭鉱夫は彼らに敬意を表して、採掘場では十字を切らないなどの礼を作り、向ふも、金属のある所へコンコンKnockすると言ふ。

 キャロル・ローズ、REグィリーは、グレムリンを、技術的な技術と知識の体系を持ってゐる、としてゐる。グレムリンが、絶対者を拝み人の話を聞く耳を持ち何がしかの腕を持ってゐると設定するのはなかなかよろしいらしい。

 荒俣宏荒俣宏の世界ミステリー遺産』文庫版の刊行が2011年2月。中に、「ニコラ・フラメルの話をマクラにフルカネリなる二十世紀の錬金術師を紹介する」のがあった。ルイ・ボーウェルとジャック・ベルジェ『魔術師の朝』とやらを引き、1937年パリの物理研究室へ、そのれんきんじゅつしが、「核エネルギーを戦争に使へば世界は危機に瀕する」とか言ってたとか。なんだかなぁであるが、平和利用の筈の原子力発電が、えーとその年どころか三月に。