なんかー

 七月八日
 午前六時半 エリアメールで、土砂災害警戒情報が出る。
NHKで、「岐阜県 長野県に警戒警報」といふフライングが出る

 六時四十分 松本市以南辺りに避難勧告が出る NHKも「長野県に警戒レベル4」

 断続的に雨が降る(波はある)。保育園は継続(若干丘の上にあるのでまだ避難所みたいな機能もないことはない)。

午前十時ころ。なんとなくやむ。

午前十時三十分頃 阿部守一県知事 なんか言ふ。雨は降ってない

 午前十一時 近所のスーパーマーケットが「ねやねや」(人でいっぱいを指す信州の方言だが分布地とか知らん)

午後二時半 風が吹く 雨は降ってない。

結局 午後三時まで自宅にゐる他、コンビニまで行ける。

午後四時 土砂災害警戒警報が解除 避難勧告を特別警戒区域に限定。

そして七月九日 長野の南部は泥土と化し、と言ふ可能性は否定できない(午前三時 雨がしとしと)。

 筒井康隆先生は、『虚航船団の逆襲』所収の『賢治童話の官能』で、『注文の多い料理店』の、「恐らく色白でむっちりと肥って」ゐる二人の紳士が、全裸の体にクリームを塗られ、食はれる存在だと気付くシーンを指してカニバリズム的な官能があると指摘してゐる。トリオセ・メンデフラの、いいです。それから筒井先生は宮沢賢治少年愛的なナニが、ないとか言ってゐるが、(宮沢賢治の彼ぴの名前を忘れてゐる)あー。

 南方熊楠は、寺石正路宛書簡の中で八文字屋本に西竹林寺の妖怪「ケサ六」と言ふのが出るが、どう言ふ化け物なのかよくわからないと言ってゐる(抽象的なアレでなくて、南方先生が忘れただけ)
 寺石さんの「袈裟なんとかって名前」に対する質問へ、一応答へてゐる南方翁は、田辺に袈裟なんとかさんがゐないと言ってゐる。他の地方での袈裟六さん(こっちはホモサピだ)とかを紹介し、「胞衣を被って生まれる」子供がゐて、少なくとも仏教圏と西欧では吉祥とされるとか、その胞衣が意味付けの際に袈裟系とカウル(帽子被ったやうな形でのそれ)系に区別できるんぢゃねえかな可能性(両方吉祥だが)と、茸の一種で胞衣みたいなのをつける種類がゐて―、など。
 長野では名前に名前に袈裟つけるのが結構あったらしいと言ふ文献はあるのだが、私は知り合ひで袈裟なんとかさんを知らない。

 西川照子さんの語注が、暴走してあの、面白いんだけど要らん。(中沢新一先生の文章は無視)