ぽふっ

六月十三日。 あぁ『未来少年コナン』の次に

 『プロフェッショナル』結局見てしまった。

 氷川竜介さんの指摘による、

異様な出会ひ~一目惚れ~拉致された娘さんがガラスの窓の外を見る~塔の上でなんかやるヒロインが、主人公から

ブリュンヒルデ―!!」

そして!!

 は『コナン』でも見られるのであるが、妄想が入りつつも実在の人物を扱ふ『風立ちぬ』では、設計家の人が謎の多い國の城に入るわけにいかないし、別にいぢめっこはやっつけられるけどサメを屠る能力はないし、空から降ってくる女の子を下宿先で養ふシチュはできないし、で衒ひを完全に消す、シーンを苦労して作ってゐる。

 庵野秀明さんは『ふしぎの海のナディア』のスタッフでも『風の谷のナウシカ』制作の際に採用された噂の英才でもなく、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督であった。  

庵野さんは下半身があれな方ならしいので、庵野秀明メディアで幼女へシベリヤを渡すキャラが

「君たち これを食べなさい」

 だと、なんとなくナンパしてる感じが、多分庵野さんをご存じの方ならあれなのであらう。番組ではそのシーンを一応やらせた監督とプロデューサーが、採用を決めてゐる。

 岩田健太郎(ふんごぉおおおおおおお)先生が、朝日新聞社関係の科学関係の本で、らい菌に関し、三島由紀夫大先生の『らい王のテラス』以下ハンセン氏病に関する理不尽不条理を書き綴った歴史を一切無視し、「アレはネタにならない」と歴史修正し、「スティグマとしての結核」が出る作品として、風立ちぬの菜穂子さん(「労咳でした」でなくて結核なのはツッコミポイントな感じが)を上げてゐるのが不自然すぎると思ってゐたら、宮崎監督はソレ制作中、らい病の関係の施設へ奥様と行ってたといふ。えー。  

崖の上のポニョ』でも取材してたスタッフがやってた説を見た。でそのポニョ公開当時、自動車のシーンが(まぁ、運転手は老人ホーム勤務のお姉さんだし)カリ城と比べてパンチが利かないと言ふか、なんか、

いはゆる「宮崎さん老けましたね」的な批評があったと、その辺を、シーンを引用しながら語る。

 宮崎駿と言ふ人に関し「戦争を忌避しながら兵器他を描く」とは紹介される。ジャンバティスタ・カプローニが、イタリア軍へ兵器を卸しながら、武器商人としては駄目だと言ふ宮崎駿説のは一切言はない。

 秋津島オリジナル飛行機としての零式戦闘機(劇中ではチョロっとしか出てこないわけであるが)を作る設計家堀越二郎、は出てくるが、伝道の書と言ふかコヘレトの言葉、カプローニおじさんがのたまふ「力を尽くしてこれを為せ」のネタ元に出てくる「日の下に新しきものなし」とともに、原作での「沈頭鋲が当時世界的に研究されてたのでアレを日本オリジナルとかこくのは間違い」とかは完全に無視される。

 勿論、支那尖閣諸島へ来たのに危惧する宮崎駿の前に、「敵はあり得ない方向からくる」(天丼、カツ丼、ノドン テポドンを引き合ひに)とやる原作のシーンは出ない。

 『風立ちぬ』の原作マンガは出てはゐる。

 空襲を経験し、核攻撃と水爆の脅威を目の当たりにし、「いつ家族や友人たちの上に爆弾を落としても不思議ではない」現用兵器に関し、書きたいと思はないが、旧式機が「いっぱいちゅき💛」と言ふ宮崎駿像は結局丁寧に排除されてゐる。勿論、

設定の時代はジュラルミンでの爆撃機による戦略兵器を作らんといかん時なので、肉豆腐食ひながらそっちをやらないといけない頃に、サバの骨は美しいとかこきながら美しい飛行機である旧式の戦闘機@戦術兵器を作らせちゃった堀越二郎像は一切語られない。

 勿論、『宮崎駿の雑想ノート』での、「ヒトラーとの義理は果たし」て部下みたいなものと田舎へ還るドランシ大尉や、そのちょび髭の伍長さんがお亡くなりになってからも無敵伝説を繰り続けるリュースバルク(ドイツの架空の町 片淵須直さんによると いいです)の高射砲塔、書き甲斐のない飛行機(爆撃機だけど爆弾落せない)でNoEをかましフランコのアレを一部粉砕したスペインのレジスタンス、などに関するいろいろは完全に出ない。

 面白いとしてなほ本放送はみんで良かった感じ。