ぷにょほろろー

ナニのソレ、町山智浩さんの文春のコラムは、

ヒトラーの生誕時に行ったらどうしますか?」

 と言ふ質問に、某ブッシュが「ぶち殺す」と言ったさうであると言ふもの。その辺の資料を見ると、かのチョビ髭の演説屋さんは幼児の精神状態で大人になってをり、「上から目線で」見るユダヤ人の待遇(なんかさういふ人だけだったらしい)がむかついたので、「奴らに頭下げなければならないのがいや」なためにカイクの駆除へ行ったさうである。なので、町山さんが描く「ユダヤ人の家で愛情いっぱい」育てるだけだと、まうちょっと気合の入ったカイクの駆除をする可能性がある。私だったら、ユダヤ人の家に住まはせて、

「多分アドルフにはユダヤ人の血が流れているんだよ」

 をひたすら言ひ続け、

「あんちゃは偉いで画家にとどまらんに」

「もーユダヤ人は他のいろんな人と結婚しまくって血がぐだぐだになっとるもんでー、あんちゃにも絶対入っとるんだにあの血が」

とかも唱へ続ける。少なくとも、露助の進出をとどめ、ゲルマン民族を何とかしたのはあのちょび髭の伍長さんしかできないものである。ドイツ人は、ユダヤ人蔑視がないさうなので、かうすればユダヤ人を労働力として採用しうるナチス・ドイツの可能性はあったはずである。

 まうちょっと絶望的な観点から、ヒトラーをリスペクトする(アドルフ・ヒトラー千年王国の建設と崩壊込で、好きならしい)水木しげる大先生がお亡くなりになった。まあ大往生には違ひないのだが。

 まあ普通のリテレートならしいのだが、対象が対象だけにちょっとアレな方へ言った人といふ見方を私もする。前、井村君江先生が(確か)妖精ハントに出かける際水木大先生を伴ったところ、渡英先の適当な所で御大が写真撮るので、まあ普通にさせといて、適当なパブリックハウスだかでよりあってゐるばあさまをとッ捕まへて妖精の話を聞くと、

「昔なぁ、あすこでなむ(と、水木しげる先生が写真撮ってたところを説明し)、ジェイムズさ、ちゅうおいさまが、ボギービーストに化かされてな、おんなし処をぐるぐる」

 とか言ふので、井村先生(だと思ったんだが)以下スタッフが

「フハッ」

 とか言ったとかを、どこぞで見た覚えがあるのだが書名を忘れてゐる。水木大先生が「ヴィクトリア朝の妖精の描き方」が大変素晴らしいので、ジャパニーズ妖怪をさういふ「一種可愛いもの」として描いたと言ふ資料は、その辺で流通してゐるはずである。

 あと、最近の作品での「大東亜戦争英霊から昭和天皇の戦争責任を追及しろと言われて、「いや今の天皇に戦争責任はないよ」と説得する夢を見た」と言ふのがぐるぐるしてゐる。

 他はあれだ、何年も、ラバウルなんか行きたくないけど元上官の命令で義理でいやいや何回か行ってた、ある時、ラバウルに降り立った水木御大の体が生きてるといふ実感を認識したので、「愉快(ゆくぁい)になった」あと、リピーターになった、といふ奴。かういふ、絶対破壊的カルト教団の説法の方がまともに違ひない、水木ファンダメンタリストな信者の皆さんが腹筋壊して水泳大会しながら聴く、水木しげる猊下

 「生きとるんですわ ええあんた 生きとるんです 二十回以上行って初めてわかりました」

とかの御言、は、幸運にも書籍になりその辺で売ってゐるのである。これは幸福である。

 御大のご冥福をお祈り致します。